RPGと物語:物語とは何か
投稿日時 2007-10-21 21:40 |
kilica
| msg# 1
物語とは何か
「RPG にとって物語はどう位置づけられる(べき)か」というテーマは数年前から気になっていたが、僕の中ではそれほど優先順位が高くなかったのでずっと塩漬けになっていて、たまに思い出す程度だった。
最近、accelerator さんと話す中で「物語」についてもちょっと話題に出たので考えてみる。
「RPG にとって物語はどう位置づけられる(べき)か」を考える前に、そもそも「物語」とは何か、というのが僕の中ではっきりしないので、これについて考えてみる。
ちなみに、すでに結論があるわけでなく、書きながら考えているという状態であり、途中で詰まっておしまい、という可能性もある。
また、世に出ている物語論のようなものをまともに読んだことは無く、そのうち読むかもしれないがとりあえずは頭の中でこねくり回してみて考えていくことにする。
目的は、RPG に物語を面白く組み込むための方法論を見出すことであり、そのため学術的な正しさ、高度さは追求しない。理解のしやすさ、使いやすさがより重要である。
さて、本題の「物語」とは何か。何が物語と呼ばれ、何は物語と呼ばれないか、について考えてみる。
まず世にある物語を読むとそこには出来事の記述が含まれているので、「出来事の記述」として捉え、次のような例を考えてみよう。
[例1]
10/20 池袋にパソコンを買いに行った。
10/21 お昼にパスタを食べた。
さて、これは物語と呼べるか? 僕は呼べないと思う。単に出来事を記述しただけでは、物語として成立しないようである。
では、次のような例はどうか?
[例2]
10/20 兄にパソコンを買ってきてほしいと頼まれた。
10/20 池袋にパソコンを買いに行った。
10/20 お礼に兄から2000円をもらった。
10/21 兄からお金をもらったので、そのお金でお昼にパスタを食べた。
面白くもなんとも無いが、物語っぽくなっていると感じる。
それは、出来事が4行に増えたからではなく、最初の例ではなかった「パソコンを買いに行く」と「パスタを食べる」の間に因果関係があることが示されているからである。
ここまでの考察でまず、「物語とは、出来事と出来事とを因果関係で結びつけたもの」と定義してみる。
さて、早速この定義を以って、RPG について考察してみよう。
[例3]
最初の部屋でゴブリン2匹を倒した。
2番目の部屋でオーク3匹を倒した。
3番目の部屋でファイターがトロルに殺された。トロルは何とか倒した。
D&Dあたりでありそうな展開である。モンスタとの緊迫した戦闘があればこれでもゲームとして十分面白いものだが、物語性は無い。3つの出来事の間に因果関係が無いからである。
では次の例ではどうか。
[例4]
最初の部屋でゴブリン2匹を倒した。
2番目の部屋で魔法使いが派手に魔法を使ってオーク3匹を倒した。
3番目の部屋で魔法が残っていなかったためファイターがトロルに殺された。トロルは何とか倒した。
2番目の部屋と3番目の部屋の間に、因果関係が設定されている。2番目の部屋で無駄に魔法を使ったために、3番目の部屋で援護ができずにファイターが死んでしまった、というものである。
まあ読んで面白いものではないが、やっぱり物語っぽくなっている。
以上が今回の考察のメイン。
「物語とは、出来事と出来事とを因果関係で結びつけたもの」というのが今回の結論。
もちろん、他にも「物語」として成立する条件があるかもしれないし、上の定義を満たしていても物語とは呼べないものがあるかもしれない。
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さて、ちょっとわき道にそれて次の例を考えてみよう。
[例5]
最初の部屋でゴブリン2匹を倒した。
2番目の部屋でオーク3匹を倒した。
3番目の部屋でファイターがHP1になりながら2ラウンド持ちこたえ、クリティカルでトロルを倒した。
とても緊迫し盛り上がったプレイではないだろうか。これは物語としてどうだろうか。
上の定義から行けば、物語ではない。これ(3番目の部屋)はドラマ、ドラマチックと呼ばれる物語の要素ではないかと考える。関係はありそうだが、ひとまずは物語から切り離して考えたほうが良いかな。
もうひとつ、別のわき道。
[例4]では、素朴ながらも物語になっている。しかしこれは、シナリオとしてマスタが準備したものではない。勝手に魔法使いのプレイヤが2番目の部屋で魔法を使いすぎた結果、物語になったものだ。
このように、シナリオとして組み込んだり、マスタリングで誘導しなくても、RPGを遊ぶ中で物語は生成しうるものである。[例3]のようにしないこともある。
一方で、この物語の面白さに重点を置いて、積極的に物語をシナリオに組み込んだり、マスタリングで誘導するプレイングスタイルもある。
最終的には、このあたりの違いにまでたどり着けたらいいなあ、と思う。