氷川 TRPG 研究室

Hikawa TRPG Laboratory

2005年5月31日 (Tuesday)

Re: ミニゲームデザインという生き方(神饌喰い。)

『神饌喰い。』「ミニゲームデザインという生き方」で白河堂さんが書かれていた

>考え方

 考え方はまったく同じだと思います。
 ただ、ここで自分が強調したいのは、

「んじゃ、やってみる?」

 と、すぐにシーン独立型セッションを立ち上げられる準備をしながら生活しているゲームマスター人口を増やす、ということですね。つまり、自分が本当に求めているのは、シーン独立型セッションではなく、シーン独立型ゲームマスターである、ということです(笑)

についてです。

 「なるほど,すごい」と思いました。僕には出来そうにないなあと思ったからなのですが,でもなんで「出来そうにない」と思ったのだろうか,というのを考えてみました。

 同じようなケースで,ボードゲームであればできます。大学のサークルで,4,5人集まれば『ファーストフード・フランチャイズ』や『アクワイア』をよくやっていました。また2人でも『マジック・ザ・ギャザリング』を遊んだり。
 これは別に特定のゲームをやろうと意気込んで集まったわけではなく,ちょっと暇な連中がたまたまそろったので「じゃあやろうか」ということになって,実際に始められるわけです。

 ところが RPG だとそうは行かなくって,いろいろ準備が必要になります。プレイヤにはキャラクタが必要ですし,マスタにはシナリオが必要です。このうち PC はプレロールドで済ませることもできますし,クラシックD&Dあたりなら作るのにさほど時間もかかりませんので,その場で作ることで解決できます。
 しかしシナリオのほうは(僕にとっては)そう簡単にはいきません。そりゃ僕だってフルアドリブでそれなりのセッションはこなせますが,シナリオの作っていないセッションというのは認められないのでやろうと思いません(このあたりについてはまた機会がありましたら)。
 別の方法としては市販のシナリオを使うというのもありますが,それだって事前にそれなりにシナリオを読み込まないと安定して楽しむことはできません。

 ボードゲームはちょっと集まればすぐに始められるのに RPG はそうは行かない。なぜ RPG はシナリオが必要なのでしょうか?

 ボードゲームの場合,ゲーム性を提供する要素は二つあって,それはサイコロや伏せられたカードによる「ランダム性」と「競争相手」です。
 「ランダム性」は,例えば1回の手番を使ってイベントカードを引くか,とっとと先に進むか迷わせる,といった葛藤を提供します。いいカードを引けば選択は正しかったといえますが,つまらないカードを引けば1回を無駄にしてしまいます。「ひいてみるまで結果が分からない」という不透明性がゲーム要素を提供するわけです。これは RPG にも当てはまり,「戦った方がいいか逃げた方がいいかはダイスを振ってみるまで分からない」といった状況がそれにあたります。

 一方,ボードゲームのもう一つのゲーム性である「競争相手」はほとんどの RPG には欠けている要素です。
 競争相手の存在によって,ゲームの先の展開が読めなくなり,それがゲーム性となります。将棋などの完全情報ゲームのゲーム性はもっぱらこの要素からなっています。

 一方,RPG でその代わりを果たしているのがシナリオ(とそれを運用するマスタの存在)です。シナリオがどう展開するか見えないため,プレイヤは悩むことになるのです。例えば,ダンジョンの残りの部屋が1つなのか3つなのかで,魔法やアイテムをどれだけ使うべきか変わって来ますが,マスタには分かってもプレイヤには分かりません。そこで安全策をとるか全力を投入するか悩むわけです。
 同じシナリオをプレイヤとして何回も遊ぼうとするとあまり面白くならないのは先の展開が見えて葛藤にならないからです。言ってみれば,相手がどう動くか予め確定してわかっているボードゲームのようなものですね。

 このように,RPG の場合はゲーム性を確保するために毎回違うシナリオを用意する必要があります。一方,多くのボードゲームでは,ゲーム性は対戦相手の存在が提供してくれるので,同じボードで何回も遊ぶことができます。

 この構造が理解できれば,とるべき道も幾つか見えてくるのではないでしょうか。

 一つは,PC 間の競争を取り入れ,何度も遊べるようなシナリオを作ることです。『深淵』の「落雷」がこのようなシナリオの代表といえます。

 もう一つは,作れるのかどうかわかりませんが(^ ^; シナリオのごく一部のパーツを変えるだけでまったく違った様相を見せるシナリオを作ることです。カオスな振る舞いをするシナリオですね。
 単純な例を出すと,同じシナリオでも A の味方として遊んだ場合と B の味方として遊んだ場合でぜんぜん違ってくるとか。

 三つ目の方向性としては,「ランダム性」を突き詰めたシナリオにすることです。たぶんこれが一番簡単でハック&スラッシュの戦闘だけのシナリオがその代表といえるかと思います。


2005年5月29日 (Sunday)

Paranoia xp: Flashbacks

Amazon.co.jp で \"Paranoia xp: Recycled\” を注文したらこれが届きました。ISBN は一緒なのでタイトルが変わったのかな。

表紙も amazon.co.jp とは違っていて,ボッティチェルリの『ヴィーナスの誕生』をパロった代物になっています。内容は 1980 年代の Paranoia の古典的シナリオの xp 向け復刻。当然読むことが許されるセキュリティクリアランスはUVだ。

  • Mini-missions
  • Vapors Don\’t Shoot Back
  • \’The YELLOW Clearance\’ Black Box Blues
  • Send in the Clones
  • Me and My Shadow Mark 4
  • Alpha Complexities
  • Code 7s

まあお買い得なのではないかと思います。特に僕の場合,Paranoia のシナリオを上手く作れる自信がありませんしね。


2005年5月23日 (Monday)

ダークエイジ

東 犬二,『ダークエイジ』,宙出版,2005
中世ヨーロッパを舞台にした …… エロ漫画です(作者によると12-16世紀)。
裸の女性が磔になっている表紙なのでそのことはすぐ分かりますが,よくよく見るとどこにも「18禁」とか「成年向」とか書かれていません。しかし中身はどう見てもエロ本です。最近は表示しなくなったのかな。

でもって中身はエロ本にしておくのはもったいないくらい背景や建物,衣装が描きこまれています。
お話も中世の社会的背景に根ざしたものばかりで,結構マニアック。
巻末には各エピソードの社会的背景について簡単な解説が付されていて,いったいどんな読者を想定しているのか謎です(笑)。


2005年5月17日 (Tuesday)

Re: 「キャラクタープレイング論」その2

 Scoops RPG の「読者の声」に仮想光線さんのRe: 「キャラクタープレイング論」その2が掲載されました。その1はちょっと前に取り上げました。今回もなかなか面白いので取り上げてみます。
 Scoops RPG にもトラックバックできるといいんですが。

Scoops RPG 「読者の声」の原文へのリンク
「キャラクタープレイング論」その1
「キャラクタープレイング論」その2

前回の感想
Re:「キャラクタープレイング論」その1
Re:「キャラクタープレイング論」その1(続き)

 最初に,全体的な感想としては着眼点は前回同様,なかなか興味深いものがあり,考えさせます。
 しかしこれまた前回同様,敷衍する例示が不適切で論理展開も詰め切れていない部分が見受けられ,「「より面白い物語創造をする」のが RPG の目標である」という根幹の主張についてはやや説得力に欠けます。がここで事細かにあげつらっても益はありませんので,仮想光線さんの指摘を発展的に捉えてみたいと思います。

 さて,今回はまず最初に,RPG を遊ぶ「目標」は「より面白い物語創造をする」であるとしています。この「物語創造」という言葉が適切かというといささか怪しいと思いますが,ともあれこの一文はもちろん非常に重要です。”RPGの本質はゲームでありすなわち意思決定である”というのが馬場講座を支える土台であり,それを首尾一貫して講座の中で展開していったところに馬場講座の力強さがあると僕は見ているのですが,その土台の代わりを提示しているわけです。
 上手くやれば RPG の別の面が見えてくるかもしれません。

 で,仮想光線さんの主張をばっちり理解できているかと言うとイマイチな部分もあるのですが,もともとの文章が馬場講座を意識したものになっていますので,それぞれが RPG をどう捉えているかを対比してみましょう。

ゲーム性重視と物語重視の対比

 すぐ分かるかと思いますが,左側の青い方が馬場さんのRPGの捉え方を図にしたもので,右側が仮想光線さんの方を図にしたものです(正確には馬場さんがRPGをこう捉えていると僕が理解している,ですが)。

 簡単に説明しますと,馬場講座での RPG の捉え方は次の通りです。

 RPG はゲームである。ゲームである以上,意志決定が最も重要である。その意志決定は,

  • 葛藤
  • アカウンタビリティ
  • 結果に対する責任

を要素として備える。
 そして RPG は,この最も大切なゲーム性を支援する方向でデザインされる(べきである)。すなわち,

  • システム
  • 背景設定
  • シナリオ

のいずれもが,よりよい意志決定を支援するようデザインされているのである。

 いっぽう,仮想光線さんの主張をこれに対比させると次のようになります。

 RPGは物語創造の遊びであり,物語創造にとってはキャラクタが魅力的であるというのが最も重要である。今のところ,キャラクタが魅力的であるための要素や条件についてはまとまった提示がない。
 そして RPG は,この最も大切な物語創造を支援する方向でデザインされる(べきである)。すなわち,

  • システム
  • 背景設定
  • シナリオ

のいずれもが,より魅力的な物語創造を支援するようデザインされているのである。

さて,僕は仮想光線さんの図にあるように RPG はデザインされていないと思っています。少なくとも,今の RPG がそうだ,というのであれば,無駄な部分が多すぎるし必要な部分は足りないと思っています。しかし,徹頭徹尾,仮想光線さんの提示したコンセプトでデザインされた RPG というのもなんだか非常に面白そうで見てみたいという気はします。


2005年5月15日 (Sunday)

近況

ようやくイタリアショックから半分くらい抜け出したところ。
先週は半日しか休みのない変則勤務だったので,ようやく休めたと言う感じです。

イタリア旅行の雑感については mixi でいろいろ書いていますので mixi な方で興味のある方はどうぞ。
そのうちどこかのサイトにもアップする予定ですが,Flash で作っているのでなんか時間がかかりそう,というか完成するのか不安(^ ^;。

土曜日は久しぶりに大須に行って,『ヴィクトリアン・エイジ・ヴァンパイア』を購入。遊ぶ予定はまったくありませんが,条件反射的に。

あとは Xoops の本,『Customizing Xoops』を購入。今までインストール方法を中心とした入門書しかなかったので,これはうれしいです。
\"Customizing

大須を歩いていたらゲーマーズがグッドウィルの隣にできていました。秋葉原の5年後ろを追いかけているような感じです。

お昼は久々に中華,味仙で台湾ラーメンとチャーハン。


2005年5月5日 (Thursday)

帰ってきました。

イタリアから帰ってきました。
明日,あさってと仕事なのでまだしばらく動けないかな。


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